不動産相続登記を自力でやってみたということで、以下の手順のうち、
今回は9.相続登記申請書を作成について書きたいと思います。
これが最後の山場です。
課税価格などの計算以外難しい箇所はありませんので、サクッと終わらせましょう!
自力不動産相続登記の手順
- 登記事項証明書を発行
- 被相続人(亡くなった方)の戸籍を全部発行
- 相続関係説明図作成(なくてもOK)
- 相続人全員の戸籍謄本を発行
- 相続人全員の印鑑証明書を発行
- 固定資産評価証明書を発行
- 被相続人と不動産を相続する人の住民票を発行
- 遺産分割協議書を作成
- 相続登記申請書を作成
- 返信用封筒を作成
- 相続登記申請書の提出
我が家のケース
くどいようですが、前提条件から。
私の場合、以下の状況での不動産相続登記でした。
- 相続人3名のうち1名が相続
- 相続人は被相続人の妻、子
- マンション1部屋のみ相続
- 遺産分割協議書を使用しての相続
ケースが異なると必要書類や書類記載方法が異なったりするので、詳しい部分は法務局のマニュアルを参照してくださいね。
相続登記申請書を作成
相続登記申請書は、法務局に指定のフォーマットがあります。
このページの20番「所有権移転登記申請書(相続・遺産分割)」の欄のフォーマットを使います。
ダウンロードして、空欄部分をこちら↓のマニュアルに沿って埋めていけば完成です。
相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ(登記手続ハンドブック):法務局
マニュアルはわかりにくい箇所もありますので、
不動産を相続する方が1名で、不動産がマンションの場合は私の作ったテンプレートもお使いいただけます。
使い方については↓の記事を御覧ください。
相続登記申請書の内容解説
テンプレートは以下の順で作成しますが、分かりづらい箇所を解説します。
- 記入シートの黄色背景部分に入力
- 相続登記申請書(所有権移転)シートの黄色背景部分に入力
登記識別情報の通知希望欄
重要なので最初に書きます。
ここは絶対にチェックボックスにチェックを入れないでください。
相続登記の手続が完了すると「登記識別情報」という書類が送られてきます。
それで手続きが完了し、この「登記識別情報」で所有権を変える場合などに使う不動産所有者の本人確認書類らしいのですが、再発行、再交付できないそうです。
なので、必ず発行してもらい、入手後はきちんと管理保管しておいてください。
チェックボックスにチェックを入れちゃうと発行してもらえなくなるので、
提出前に再度「チェックボックスにチェックが入っていないこと」を確認してから提出してくださいね。
申請人の記載
申請人の欄は不動産を相続する人のみでOKです。
相続する権利がある人が3名いて、うちひとりが相続する場合は、その1名の情報を記載すればいいことになります。
複数人で分割相続する場合は、相続する割合の記載などが必要ですので、法務局のマニュアルに従って記載ください。
なお、連絡先の電話番号は記入ミスがないよう、十分注意してください。
もし申請にミスがあった場合、この番号に連絡が来るためです。
申請日の記載
直接法務局に赴く場合などで、提出日が未定の場合は、空欄にしておいて、印刷後に手書き入力してもOKです。
申請する日がわかっている場合は、もちろん記載してから印刷しても大丈夫です。
申請先法務局の記載
F14セルに申請先法務局(または支局)を記載する箇所があります。
申請日を記載したら、その右に申請先の法務局名を入力します。
申請先がどこかは、相続する不動産のある管轄の法務局になります。
管轄がどこになるかは、法務局のこちらで調べられます。
支局や出張所に提出する場合は、支局名、出張所名まで記載します。
課税価格の計算
前工程で入手しておいた「固定資産評価証明書」を使用して計算します。
※ただし、この欄は登録免許税が免除の場合は記載不要とのことです。
課税価格は
課税価格=「固定資産評価証明書」の土地、家屋の「評価額」合計の1,000円未満切り捨て
となります。
課税価格が1000円以下の場合は、課税価格欄には「1000円」と記載します。
「固定資産評価証明書」には「固定課税標準額」や「固定資産税額」なども記載されていますが、「評価額」の欄の数字を使ってください。
また、土地と建物両方を持っている場合、「土地」と「家屋」両方の「評価額」があるので、両方を合計する必要があります。
備考欄に記載がある場合
また、我が家が特殊ケースなのかもしれませんが、
「固定資産評価証明書」の評価額の備考欄に「ただし全体評価」と記載があり、その下に「持分1,000分の95の税額」というような記載がありました。
つまりこれは、我が家の不動産の評価額ではなく、我が家のマンション1棟の評価額で、そのうちの「1,000分の95」が我が家の評価額ということになります。
この記載がある場合は、以下の計算結果が不動産登記に使用する評価額になります。
評価額 = 「固定資産評価証明書」の評価額 × (95/1000)
「 土地」が複数行ある場合
さらに、うちの「固定資産評価証明書」はマンションの共有部分も一部所有権があるようで、「土地」が複数行ありました。
この場合は、全ての土地の「評価額」を合計する必要があります。
登録免許税の記入
課税価格を計算したら、登録免許税が計算できます。
この金額が、この不動産登記手続きで、法務局へ支払う税額になります。
登録免許税は
登録免許税 = 課税価格 × (4/1000) の100円未満切り捨て
で計算します。
意外と簡単ですよね!
課税価格と登録免許税は計算ミスをしないよう注意してください。
計算間違いがあると差し戻しになってしまうので、、備考欄などにわからない記載がある場合は、法務局に問い合わせてから計算することをおすすめします。
不動産の情報の記入
不動産の記入欄には、不動産番号を記入することをおすすめします。
不動産版号を記入すると、不動産の所在地などの記載を省略できます。
記載が増えるほど記載ミスの可能性が増えて、記載ミスがあればやり直しになるので、なるべく記載量を減らすために、
「登記事項証明書」に書かれた不動産番号を記載してください。
不動産番号は「登記事項証明書」の
土地の場合「表題部(土地の表示)」
建物の場合は「表題部(専有部分の建物の表示)」
の横などに記載があると思います。
マンションの場合は、不動産番号で省略できない情報を記載します。
敷地権の表示の「符号」「敷地権の種類」「敷地権の割合」を、「登記事項証明書」から転記します。
記載箇所についてはテンプレートのセルに記載してあるので参考にしてください。
符号が複数ある場合
マンションの共有部分などの所有権を持っている場合、「登記事項証明書」に符号がたくさんあったります。
我が家も符号が10くらいありました。
その場合は、
下に記載欄を増やしていきます。
こんな感じです↓
符号 1
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 000000分の00
符号 2
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 000000分の00
さらに、符号の中の記載が重複する場合は、まとめてしまうことができます。
こんな感じ↓
符号 1~6
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 10,000分の90
符号 7
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 1000分の10
申請書が印刷したときに1枚で収まるなら、それに越したことはないので、ガンガン省略していきましょう。
登記申請書を印刷する
記入に漏れやミスがないか確認してから、印刷します。
印刷前に、黄色背景セルの色を無色にしてから印刷してくださいね。
用紙サイズはA4、片面印刷で印刷します。
申請日入力と捺印をする
申請日を手書きにする場合は、申請日を記載します。
この段階ではまだ申請日がわからない場合は、後で記入で構いません。
提出時に記載漏れしないよう付箋などを貼っておいてください。
また、申請人の欄に、申請人に記載した人の印鑑登録をした印鑑で捺印をします。
収入印紙を貼る
収入印紙を購入する
登録免許税を収める方法は、2つあります。
- 税務署に納付して領収書を登記申請書と一緒に提出する
- 収入印紙を登記申請書と併せて提出する
私は2の方法で納付しましたので、2の方法を説明します。
1の方法で納付したい場合は、この手順は飛ばして、ご自身でお調べくださいね。
なお、私は、法務局に直接書類を持っていったので、法務局に併設された印紙販売所で購入しました。
まず、先程計算した登録免許税額分の収入印紙を購入します。
収入印紙は切手みたいな見た目のもので、郵便局で購入できます。
(コンビニでも売っているようですが、200円の印紙しか売っていないようなので、郵便局にいきましょう)
購入したい金額を伝えれば、窓口の方がいくらの印紙を何枚買えばいいか教えてくれます。
印紙購入は手数料が発生しますので、購入したい額より高くなりますのでご注意を。
収入印紙を貼る
法務局のマニュアルにも記載がありますが、収入印紙は必ずA4の白紙に貼ってください。
登記申請書の裏に貼ったらNGです。
法務局の見本では、A4用紙のど真ん中に、縦一列に貼ってます。
登記申請書を綴じる
ホチキスで綴じる
登記申請書と収入印紙を貼った紙をホチキスで、左綴じで綴じます。
左綴じは1枚目の表から見て、左側にホチキスが来る綴じ方です。
最後のページに収入印紙を貼った用紙が来るようにして綴じます。
契印を押す
各ページを開いて、真ん中のホチキスで綴じた部分に、
申請人(相続する人)の印鑑登録をした印鑑で、割印します。
左右両方のページに印鑑がまたがるように捺印してください。
複数ページある場合はすべてのページに契印します。
契印のイメージ図が法務局のマニュアルに書かれているので、それを参考にしてくださいね。
提出が必要な書類をまとめる
申請書の作成お疲れさまでした!
発行・作成してきた書類のうち、提出が必要な書類は以下の通りです。
- 登記申請書+収入印紙の綴じたもの
- 遺産分割協議書
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
- 被相続人の住民票の除票(本籍と住所が異なる場合のみ)
- 相続権のある人、全員の戸籍謄本
- 相続権のある人、全員の印鑑登録証明書
- 不動産を相続する人の住民票
- 相続する不動産の固定資産評価証明書
- 相続関係説明図(戸籍関係書類の返却を希望する場合のみ)
私が手続きした際、8番は提出不要と返されたのですが(未だに謎です)、
通常は必要書類のようですので、添付してください。
遺産分割協議書などの、一部書類の返却を希望する場合は、
「原本の還付請求」ができます。
私はやっていないため、正確な情報ではない可能性があるので、説明は割愛します。
法務局のマニュアルにも記載がありますし、ネットで検索するとやり方を解説してくれているサイトがいくつもあるので調べてみてください。
まとめ
以上が、相続登記申請書の作成手順でした。
所有している不動産が少なければ、意外と簡単だと思います。
ここまでお疲れさまでした。
あとは、添付書類をまとめて、返信用封筒と一緒に法務局へ提出するだけ。もう一息なのでがんばりましょう~!