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「花は野にあるように」な生き方の探求所

『炎の蜃気楼 昭和編 霧氷街ブルース』『夢幻燈ブルース』感想 直江がついに自覚してしまった

炎の蜃気楼時系列順再読。
『炎の蜃気楼 昭和編 霧氷街ブルース』の続きが気になって耐えられなかったので、
『炎の蜃気楼 昭和編 夢幻燈ブルース』まで読みました!
両方合わせての感想です。ネタバレです。
いやあんなのもう、読むの我慢なんかできるわけないっす🙄

読んだ本はこちら↓

 

 
↓地図と調べものをまとめたのはこちら

thankyou-x.hatenablog.com

 

↓前の巻の感想と調べものはこちら
thankyou-x.hatenablog.comthankyou-x.hatenablog.com

あらすじ

霧氷街ブルース

直江の通う東都大で爆発事故が起きる。
その夜から、大学の学生や職員たちは同じ懐かしい死者達が手招く「船の夢」を見るようになり、次第に夢を見たまま昏睡状態になる者が出始める。
同じ時期、景虎は弾くと霊が活性化するバイオリンの奏者を見かけ、長秀達に調査を命じる。
付喪神バイオリンを奏でる丈司という男と接触した長秀達だったが、目の前で織田に丈司が攫われてしまう。
丈司が拉致されたホテルに救出に向かう景虎達。しかし、敵の待ち伏せで深手を負った景虎の前に、信長が現れ、二人は横浜の倉庫街で対峙する——。

夢幻燈ブルース

信長との戦いで重傷を負った景虎は、直江を命綱にして『船の夢』に潜航することを決める。
そこで景虎は美奈子と出会い、この船の正体と、丈司の持つバイオリンが何か、織田の目的が何か、を知る。そんな中、意識のない加瀬の身体が、何者かに奪われる。肉体を取り戻すために、直江は景虎を船から引き揚げようとするが、景虎に寄り添う美奈子を見て衝撃を受けた直江は、景虎の意識を引き上げることができなくなってしまう。
景虎は肉体を取り戻せるのか。船に囚われた東都大の昏睡者たちを助けることができるのか——。

感想

怒涛の巻でした。

ヨハンが東京が遊園地になるとか言ってたけど、
私の情緒がジェットコースターでした……読み終わった時、疲労困憊になっていて小説ってこんな人を疲れさせることができるんだ?という新たな知識を得ました。

 

真中幸之助に物申したい

真中幸之助ー!
捨てられないからって
何でもかんでもとりあえず人に危険物を危険物と言わずに渡すのやめんさい!笑

マリアのテオトコスとDEATHの譜面さえ、
甥にそんな危ない物渡すなよ!
と思ったら、貴子のテオトコスを美奈子の養父に渡そうとしてて、
この男、質悪いな!?
と思ったw
北里家、蘭丸達に盗みに入られて(ますよね?)るし、ちゃんと反省して美奈子のご家族にもちゃんと謝罪すべきだと思うぞ、幸之助!

逆にヨハンはかなり好きでした。
惚れた女を蘇らせるために400年生きるの、エゴ貫いてて、いい。
あと加瀬さんの顔で「透き通るような笑顔」で笑ってくれたので私の中の好感度が一気に上がりました。笑。

信長、マリー大好きじゃん

いきなりプロポーズ(チガウ)したから🫢てなった!

しかも、マリーに惚れたのは朽木であって俺じゃない理論が無理ありすぎてちょっと面白かったです。
正室に、って言ってる時点で絶対惚れてるやろ!!

自分の子供に換生しようとするって、

え、どの時点で?💦

一瞬胎児換生する気かと思って、惚れた女に産んでもらうってこと……?
って、ドン引きしたんですが、
信長がそんな効率悪いことするわけないので、育ったら宿体にするってこと……?
だとして、自分の子供を宿体にするために育てるって、グロすぎる。

信長って信忠のこと大事にしてたイメージあるので、大事に育てて換生する気だとしたら、何かが壊れてしまっているとしか思えない。

いや、その狂気、嫌いじゃないですが。


命綱ってそんな繋ぎ方なの?

命綱を直江に繋ぐシーン、

ここ病院ですが、景虎様ーーー!🙈

直江は固まってたけど、よく平気だったな?
前世でいいから、病院の壁がよかった。

なお、『霧氷街ブルース』は読んでから一週間くらい時間経ってしまって忘れてたんですが、今私のkindleの読書メモを見たら

薬指なのが…たまらん……

というダイイングメッセージみたいな呻きがメモされていたことを、ここに報告しておきます。
こんなの書いたの覚えてなかった。
たしかに景虎様が咥えたのは人差し指じゃなくて薬指!!
たまらん!!!

他の誰でも同じ方法でやったんですか、景虎様!?と考えて、
相手が直江じゃなかったら、そもそも命預けてないだろうなと気づいて顔が緩みました。

直江はそのことを自覚してたんだろうか。
してなくても、「自分だから預けられたのだ」と心のどこかでわかってただろうし、
他の誰かに預けようとしたら絶対に許さなかっただろうなと思うと、
それもニヨニヨしてしまう。

こんなに相思相愛なのに、なんでこんなに拗れるの……

なんだかんだ手伝ってくれる高坂

ラスト普通に夜叉衆と一緒に奔走してくれてる高坂。
指図するな、とかわちゃわちゃしながら共闘してるのかわいいw
しかも、今生の高坂、ビジュアル最高ときてる。
おかっぱ供給ありがとうございます🙏

毎巻もはや直江のストーカーというかアッシーくんかな?という立ち回りに、出てくる度に「ふふ」てなってしまう。
高坂としては、織田が本格的に活動し始めたから、直江をマークしてるのかもしれないが、
喧嘩しながらも阿吽の呼吸で直江と一緒に戦ってるし、
ピンチ助けてくれたり、
高坂は本当に直江のこと大好きだねぇ🥰

加瀬と尚紀は脳内音声が関さん速水さんじゃないんですが、
高坂は、「〜ですなぁ」っていう嫌味の言い回しが完全に賢雄さんの美声で脳内再生されてます。笑。
宮路も松本さんで脳内再生してるな、そういえば。
読む人みんなイメージボイス違うんでしょうね。

ちなみに、私の中の加瀬さんの声質のイメージは
内田雄馬氏が近いかもしれない。声細めでちょっと神経質そうな感じ。
もうちょっと厚みがある声でもいいかな。大塚剛央さんとか。
尚紀は、イメージ近いのは信長くんかなぁ。柔らかい優しそうな声を想像してる。
朽木は……日野さんです(断言)。

 

直江の生きることへの真剣さ

調べものにも書きましたが、
直江は、最初の夢で景虎が船に乗ってしまってから、以降の夢では船自体が見つけられない現象。
夢幻丸がブラックホールのように人間の死への恐怖や死者への想いをひきつけるものなら、
直江が船に引き寄せられないのは、いつも死よりも生を見つめてて、
生きることに誰よりも前向きだからかな。

直江はふと自分の心臓に手をあてた。動いている心臓は「現在」そのもののような気がする。自分が動くことで、状況をどうにかできるかもしれない、という自己効力感の象徴だ。勝長を精力的にさせているものも、また、ひとの「心臓」の力なのだろうか。

これは『瑠璃燕ブルース』の直江ですけど、
邂逅編の『生死流転』からずっと変わらず、
生へ健全で前向きなスタンスを貫き続けてる直江だからこそ、
死を羨望をもって見つめ続けている景虎様を、400年も引き止めることができたのかもしれない。

邂逅編で言われていた「存外楽天家」な直江の、
生きているからには何かできることがあるはずという希望の持ち方は、
闇の中でもがくように換生を続けていた景虎様にとっては、
たとえ意見が合わなくても、時折差し込む光みたいに思えることもあったんじゃないか。

景虎様が直江を愛してたことや、
直江が必死で景虎様の腕を掴んでたことを抜きにしても、
直江がこういう思想の持主でなかったら、景虎様はもっと早くにダメになってしまってたんではないかという気がする。

そう思ったら、鬼十郎にとってのお雪のような存在は、景虎様にとっては、やっぱり直江信綱だったんだなぁと思って、
直江に「景虎様の光であり続けてくれてありがとう」という気持ちでいっぱいになったのでした。

朽木と加瀬

加瀬さんの御身体に痕つけやがって、信長許さんっ!!!

でもちょっと興奮した(ごめんなさい)

いやあまりにも加瀬さんが色っぽくて(あれはヨハンです)
あの痕、直江が知ったら怒り狂いそうですが、知る日は来るのだろうか。

信長の景虎様への執着っぷり、本編以上に異常では……本編もやばかったけどここまででしたっけ?

景虎様も景虎様で、倉庫で信長と対峙したとき、
「加瀬と朽木は死んだ」
の言葉から、朽木だけじゃなく、「加瀬」ごと殺さなければ、引き金を引くことができないんだとわかるし、
ヨハンにできたことが自分にできなかったことに衝撃を受けてたのも、
やっぱりまだ朽木への情が捨てられてないんだなと。

倉庫で激突したときも、

「死ね、加瀬えええっ!」
「朽木いい――ッ!」

なんですよね。
加瀬と朽木の弔いだといいながら、呼ぶ名が「景虎」「信長」じゃないんだもん。
戦っているのはどうしようもなく加瀬と朽木でしかないじゃん😢

この2人がどうしてここまで惹かれ合うのかに思いを馳せてみたんですが、
本編の高耶さんは、なんだかんだで直江に支えられている部分が大きかったけど、
幕末編以降の景虎様って、
精神的にぼろぼろになりながらも、独りで何とか踏ん張って立ってる感じが強くて。
昭和編では主従関係解消したことが余計に孤立に繋がっている感じがする。

信長もまた、突出しすぎて理解者がいないから、
偶然に出会った唯一の理解者が加瀬にとっての朽木であり、朽木にとっての加瀬だったのかな。

あと、

「貴様もわしも人生はとうに過ぎた。だが夢からは醒めぬ。下天の八日を生きても、なお醒めぬ。生即ち夢ならば、ずいぶんと長い夢を見ているものではないか」

「だけど、懐かしい死者を乗せた船が、心の海をずっと航海しつづけていると思えば、少しは救われる気がするな」

こういうところが特に、似てるのかなと思った。
心のどこかで終わりに憧憬を抱きながら、それでも生きている限り飢えたように生きずにいられない、そういう、お互いがお互いにとっての深淵みたいな感じなのかなと。


バーテンダー継いだ加瀬と、用心棒の朽木が、執行さんからお店任されて二人で経営する。
そのステージでマリーと遥香が、ナッツのドラムで歌っていて、
毎日医大生二人がビールいっぱいで長居して、たまに育ちのよさそうなお嬢さん連れてきていて、

そんな、レガーロが見たかった……。


景虎様の真意

ラストの横浜港での直江との会話が………

ホテルを襲撃した時も景虎様は「おまえがいれば失敗しなかった」的なことを言ってるくらい直江を高く評価しているし、
夢幻丸では直江が破魂されたのではと心配しまくってるし、
北の丸でも最後に直江に自分を引き上げさせているくらい信頼してる。
なのに、

「そんなエゴまみれの危うい綱に、身を預ける馬鹿などいない。オレが本当におまえなどあてにしたとでも思うのか」

景虎の心情って昭和編はあんまり描かれてなくて、どの言葉が本心なのかがわからないことが多いけど、珍しくこの台詞は確実に嘘と判断できる台詞でした。
そしてそんな嘘をついた目的が、

「殺せるものなら殺してみろ。それができるくらいなら、勝ちだと認めてやってもいい」

この台詞に繋げるためというなら、やっぱり直江の悪感情をわざと煽ってます……ね?
言い争っている場面でもないので、本心じゃないことをつい言ってしまったとは考えにくく、意図もって吐かれた言葉とみて間違いない。


『瑠璃燕ブルース』の懸念がほぼ確になってしまった…………


『揚羽蝶ブルース』の↓

(あいつは男としてオレを屈服させられれば、それで満足なんだろう。それが成就した時にオレのもとから去るんだろう。それがこの関係からの解放の日になるんだろう)

と併せて考えるなら、
直江が「勝つ」ことができたら執着がなくなるはずと思ってるから、
直江の憎悪煽って自分の事を殺させるのが、直江の執着ごと昇華できる一番よい方法だと思ってる、のか?

だとしたらそんなもの餞にされたって直江、嬉しくないですからね!?😭

そう考えると、軍議in宮路の事務所で、直江を恫喝した後の長秀とのやりとりも、

「おまえの挑発は、景虎。まるで、やつにわざわざ刺されるためにやってるようにしか見えねえんだよ」 
 景虎はふと視線をあげた。

ここの「ふと視線をあげた」も、よくよく読むと不自然で。
長秀の主旨はその後に続いた

「そんなに上に立ってないと怖いのか。おまえのサディズムは、弱さの裏返しだ」

の方であって、前半は「刺されるためにやってんのか?ちげーだろ!」って前振りでしかないと思うんだが、険悪ムードの中、この一瞬だけ景虎様のテンションが違う。
ほぼ喧嘩状態なので、一笑に付すとか、睨むとかしてもおかしくないのに、「ふと視線をあげた」って、まるで図星を言い当てられて思わず長秀を見てしまった、みたいな反応に思えてしまう。

長秀の言うとおり、弱さの裏返しな部分もあると思うから、
どこまでが素で、
どこからがパフォーマンスなのか、
ほんとにわからんー!!


景虎様、「直江の執着心」の根本を完全に読み間違えてて、
景虎様のシナリオの結末って直江には絶望しかないってことに気づけてないのも、気が狂いそう。
読んでるだけでライフが削られていく😇


ただ読んでるだけの私がこれだけ振り回されてるんだから、当事者の直江の心情を思うとかわいそうでしょうがない。



直江が向けてくるのが愛だと思ってないとしても、
直江を傷つけてることにはかわりないし、
好きな人傷つけてる自分自身もつらいはず。
本編と違って昭和編の景虎様、誰にも頼れてないし、
こんな、自らを業火で焼くみたいな選択をせざるをえなくなるほど、追い詰められていたんだとしたら、

……なんとかできないですか😭
なんとか景虎様の精神を救えないものか……。
読んでる側は何もできないとわかっていても、そう思っちゃうから読んでてつらい。


「誰かに奪われるくらいなら、この手で殺めたい、と願うような人間は、いますか」

この直江の問いも、
直江は

美奈子に心を奪われるくらいなら」

と思いながら聞いているのに、
景虎様は

ヨハンに肉体を奪われるくらいなら」

と直江が思って尋ねたと思ってます、よね?
前者は愛の話、後者は勝ち負けの話をしてるってこと~~~~っ!?!?orz

このボタンの掛け違い、ここでお互いの勘違いを訂正できたらまだなんとかなりそうだったのに……っ。

さらに、景虎様は美奈子との対話で、一瞬、「換生をやめられない」理由という自分の真実を覗きかけたのに、蓋をしてしまったのも、

それって、直江がいたからじゃないの?
直江を手放したくないから換生続けてたんじゃないのか、景虎様!
ここで目を背けたら、絶対あとで取り返しつかないことになるやつ!
ちゃんと向き合って、景虎様😭

直江信綱ついに自覚!

(そうじゃない。俺は)
  許せないのは、あの人じゃない。あの人ではなく、あの人を奪った……。
  俺から奪った――!

邂逅編でずーっと「いつ自覚するの!?」ってワクワクしていて、

やっと……やっと!!

「その瞬間」に立ち合えて大変感慨深かった。

しかし、それがこんな地獄だと誰が想像した……?


景虎様がモテないわけないから、今までも女性の影はあったと思うんですが、
相手が美奈子になった途端、
直江は見過ごすことができなくなってしまったんですね。

美奈子が自分が淡く心惹かれて、他とは何か違うと思った女であり、
景虎様が心を奪われてもおかしくない説得力があったからなのか、
それとも、景虎の関わらない世界で築いた人間関係の中で、優劣関係なく自分へ好意を寄せてくれていると思っていた人が、景虎のことが好きだったことが、直江のプライドを打ちのめして許容を超えたからなのか、
そのどっちもか。

少なくとも『夢幻燈ブルース』までの景虎様は美奈子とのことそういう対象に見てないので、
病室で美奈子との関係について問いただす事が出てきたら、
夢幻丸で美奈子を見つけても、まだなんとか立ち直れただだろうに。

夢で『おまえは裏切る』と予言されて不安になってる

軍議で景虎に恫喝されてプライドずたずたにされる

美奈子に縋ったのに、美奈子が好きなのは景虎だと気づいて、面目潰される

急にゲッセマネの祈りの話をされて動転する

夢幻丸で美奈子を抱きしめる景虎を目撃して誰に嫉妬しているのか自覚する

このコンボがあまりに華麗に決まっていくから、

もうやめてあげて~🙈状態でした。


そもそもあんな夢見たのも、
景虎様が『揚羽蝶ブルース』のラストで、直江に
「(換生させる能力を)出すタイミングに気をつけろ」って揺さぶりかけるから、
直江の「景虎が望まなくとも換生させたい」という無自覚なエゴと喧嘩して見せた夢だった気がするので、
揺さぶりが意図的だったなら、景虎様がギルティな気がする。

まあ、愛されてると気づけてない故だし、
直江自身が自覚してないのに、
景虎様がそれが愛だと気づけというのは無理があるのでどうしようもないといえば、どうしようもないが。

直江が400年気づけなかったことも、

いや、恐れているのはそういうことじゃない。景虎と比べられた時、美奈子が選ぶのは景虎のほうであると直感的にわかるからだ。卑屈な心で思うのではない。それでこそ正しい、と思うからだ。自分が「選ばれないこと」が「正しい」と直江自身、思えるからだ。

ここを読んだ時に、ただ「鈍い」と責められないなと思った。

比較されたら彼が必ず選ばれると信じてる。
実際にはそんなことないはず。
比較したうえで直江がいいって人は絶対にいる。

でも、直江は盲目的に景虎が選ばれることが「正しい」と信じてる。
こんなのもう、信仰でしかない……

直江の思いは、とっくの昔に愛とかそういうのを通り過ぎてしまってるんだなぁ。
だけど、形而上に祭り上げてしまった「景虎」を、
美奈子という自分が淡く惹かれた「生身の女」を通して見てしまった時、
「景虎」が自分と同じ「人間」でしかないと理解して、
自分の中の抑圧し続けた感情が爆発してしまった、
のかな~などとぐるぐる考えてしまった。

なんにせよ、自覚したと同時に、憎悪を抱くことになる直江が不憫でしょうがなかった。




でも1つだけ、

直江、かわいそうと思いつつ、
「尚紀さん、ちょっとよろしいですか」って呼び出したくなった箇所が1カ所。

自分の事がどうやら好きらしい、
婚約者がいて両親不在の良家のお嬢様の家に上がりこむのはダメ絶対!!🙅

相手に本気だったら全然いい。
あるいは自分の狡さを自覚して猛省しているならそれでもいい。

でも、自分は責任取るつもりないのに相手の好意につけ込もうとするのは…駄目だって。
実際には美奈子が好きなのが実は直江じゃなかったからまだセーフだけど、
これで直江のこと本当に好きだったら、
美奈子のこと弄ぶことになっていたと、わかっているのか、直江よ。


この出来事が、余計に自分のプライドを傷つけることになってしまったことを思うと、そこだけは自業自得感は否めなかった。

でも、だからといって、それだけで直江がこんなに苦しまなければならないほどの、なにか罪を犯したかと言ったら犯してないと思うからやっぱりかわいそう。

 

景虎様も、ちょっとよろしいですか

景虎様のために呼吸器内科を選ぼうとしてたり、
毒ガスの後遺症の専門医を呼んできたり、
直江があまりに健気で感動した。

同時に、そんな直江の気持ちを全然汲まずに「さもしい」とぶった切る景虎様、言葉キツッ!と思いながら読んでいったら、

長秀の事務所での夜叉衆全員で会議になったシーンでの横暴さは、そんなのの比じゃなかった。
私が怒鳴る人に恐怖を感じるから過剰反応してしまったのもあるんですが、
にしても、ひどくない?と、最初は思った。

直江の言っていることは正しいし、軒猿だけでも調査継続させた方がいいと思うし、
さすがに他のメンバーがいる前であそこまでやるのは暴君すぎる。
そして、晴家と色部さんは、黙ってないで諫めるとかしてはどうか(飛び火)

長秀はそういうのどうでもいいスタンスだからしょうがないかと思っていたら、
自分の巻込まれ事故予防のためとはいえ、後でちゃんと忠告してあげてて、ほんとにいい奴だな長秀……🥲

『夢幻燈ブルース』で、
どうやら、景虎様は独自に『異床同夢』の調査していたらしいとわかり、回答待ちだったから丈司奪還に戦力を集中させようとしたようだと判明したけども。
それでも納得はできず。

ラストの「殺せるものなら殺してみろ」を考えると、
ここまでやったのは、直江の憎悪を煽るためのパフォーマンスだったのかもと考えた。

景虎様が信長と自分の類似性について考えてる場面があったのも手伝って、
信長が光秀を足蹴にしたという話を思い出してしまった。
私が子供の頃は、そういうので光秀が信長に恨みを募らせて本能寺の変が起きたみたいな説もあったりしたので、景虎様と直江を重ねてしまった。
(もっとも、信長のこの話は、人前ではなく密室での話だし、密室だったのにそんな話が残ってること自体がおかしい&本能寺の変が起きた後で立った噂なので信憑性ないと言われている話と記憶してますが)


そして、もう一回読み返して、やっと直江が地雷踏んだから、景虎様ほんとにブチギレてるということに気づいた。

「あなたたち北条が殺した怨霊が、今度のことをやらかしたんだ。あなたは北条の人間として責任をとるべきだ!」

これを言われて、『瑠璃燕ブルース』で佐野刑事に切れた以上に景虎様ブチギレてます……ね?

三猛将の骨を調査してた時に、直江が御館の乱のことを蒸し返すジャブが打っちゃったたために、余計に怒らせた気がする。

景虎様はあの時は流してあげてたけど、
自分のアイデンティティは上杉でしかないし(400年中の計10年やそこらしかいなかったのに北条の人間だと言われても…だしな)、謙信公のために400年も奉仕してきて、それでも北条と言われるのは本当はかなり腹が立ってたはずだし、400年苦悩を一番近くで見てきた男に言われるのは、虚しさすら感じたんじゃないか……。

上杉であることを一番認めてほしい男に、
↑みたいなことを言われて傷ついたから、
傷ついたのを咄嗟に隠したくて怒りに感情が振り切れたみたいな、そんな自己防衛の反応だったのかも、とも思った。


とはいえ、直江も三猛将の調査時に、景虎が北条の人間だと言う話題を出す時
「今まで忘れていましたが」って枕詞が付いてるから、
昔はともかく今はその言葉が全てだと思う。
言い争ってつい口が滑っただけで。
景虎が上杉ではないと思っての発言じゃなく、
「血統は北条なんだからあなたにも責任はある」ってことが言いたかっただけの可能性もある。

ただ、景虎からすれば、
ずっと謙信公の命に従ってきたのは、ある意味謙信公への証立てなわけで、
それが後見人の男に何一つ認められてないって聴こえるし、
直江に「あなたたち北条」と言われる疎外感は、ただでさえ精神的にボロボロの景虎様には堪えただろうなと思った。

ゲッセマネの園

先にこの場面、ゾワゾワした箇所があって。
病室で、色部さん達が帰った後、残った直江に、景虎様が

「どうした。行ってもいいんだぞ」

って言ったのが……
「行っていいんだぞ」じゃなくて「行ってもいいんだぞ」なのが
「直江は行かないのが当然」という思いがちょっと含まれてるような言い回しに聞こえてしまって、景虎様の直江への無自覚な甘えというか、傲慢さがチラ見えした気がして、ゾワワとしてしまった。
ニュアンス受け取り間違いしてたら申し訳ないですけど、そういう傲慢さはどうなのよと思いながらも、そういうところがたまらないので、癖に刺さりました。笑。

で、ゲッセマネの園の話ですが。
直江じゃないけど

景虎様ァー!!なぜ今その話した!?

タイミング最悪です!!!

直江をこれ以上刺激しないでやって!!

今、すごくナイーブになってるから!!!!

死にかけた時に青い衣の聖母マリアのような女性(テオトコスのマリア)が現れて、
もう一度死にかけた時に青い衣の春姫が手を握ってくれて、
目が覚めたら助けてくれた美奈子がいて、
景虎様の中でそれらのイメージが重なって、「マリア」になったんだと思いますが、
この一連の台詞を言ったのは、
景虎が「殉職」の時が来たと夢想したから、かなと。
あくまで私はですが、思いました。
赤い衣を着たキリストのように血まみれの自分を、天上を意味する青い衣を着た春姫が迎えに来て、やっと終われるという夢を見た……と思ったのかなと。

でも、じゃあなんで、直江の言葉をわざわざ遮ってまで、このタイミングで言ったのか。
読み返せば読み返すほど、
直江が耐えられなくなって、景虎様に覆いかぶさっている状態で、直江が何か言いかけたタイミングで遮ってるの、不思議なんですよね。

切羽詰まったような空気出してる男に伸し掛かられてる状態で、
「喉をあおのけ」るのも、
普通は本能的に急所を庇うために顎を引くと思うんですけど、
それはただの信頼なんだろうか?
まさか急所をわざと差し出している……とかじゃないですよね?
ゲッセマネの話をしたのは、「殉職」の時だと夢想したんじゃなくて、
今まさに直江の手で「殉職」することになってもいいとか、そういう意味だったりしないよね……?

もう私が疑心暗鬼になってます。
景虎様が、わからない……っ。

 

まとめ

怒涛の巻すぎて、言及できなかったんですが、
美奈子は春姫の生まれ変わりってことなんでしょうか!?
だとしたら、追い詰められてる景虎様がふらっときてしまうのしょうがない予感しかしない。

この情緒ジェットコースターの次が短編集なの、
完全にラスボス前の回復ポイントにしか思えない😇