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「花は野にあるように」な生き方の探求所

『炎の蜃気楼 邂逅編 真皓き残響 神隠地帯』感想 お互いに憎まれていると信じたい主従

ミラージュ時系列順再読チャレンジ、『神隠地帯』読み終わりました。


前の巻の感想はこちら↓

 



…………………………ら、ラストが…………
え、これまさかね?
まさかですよね???

 

 

 

あらすじ

越後内で、子供たちが神隠しに遭う事件が続き、神隠しから帰ってきた子供は「神通力」を持っているという。
調査を始めた夜叉衆。景虎と直江は、小平太という先見をするという少年に会いに行く。
彼は「あちら側」に行って、尼に助けてもらったと話すが、
彼の体には奇命羅達の体にあるのと同じ鎖鱗の痣があり、
神隠しの事件の裏には框一族がいると、景虎達は気づく。
しかし、框一族が隠したのは子供たちだけでなく、社の神たちも隠れてしまっており、その影響で夜叉衆は調伏力が使えなくなってしまう……。

 

物語の舞台

いつも通りのgoogleマップから。
晴家は柏崎から、消息わからず最後に赤岩に現れてるので今回は地図なし。

景虎様&直江ルート

柏崎の定宿碇屋から天神山城にちかい漁村赤岩までいって、小平太とその近くの村を調査。
そこから、景虎様だけ、雪蛇で奥只見までひとっ飛び。
雪蛇はFFで言うところの飛空艇だよね。ありがてぇ。

ピン打った場所がよくなかったのか、
奥只見への経路は↓のようにルート出してくれませんでした。
框のホームだから近づけないようになってるのかもしれない🤔
でも車のルートは出ます(なんで?)

 

長秀ルート

柏崎の碇屋で夜叉衆たちの軍議に出てたので、そこから、たぶん蒲原津へ。
蒲原津から色部さんのいる、加茂山の麓の村で合流。

 

色部さんルート

柏崎碇屋から、景虎様たちと出発し、色部さんだけ西へ。
いくつか神隠しに遭った子供を調査しながら加茂山の麓の村で寿心尼と再会。



奥只見の銀山

框一族の故郷の奥只見。
東一坊の話では、銀が取れるけど、知られていないという話でしたが、
なんか聞いたことあるなと思って検索したら本当に銀山だった!

しかも、銀が出ることが分かったのが1641年(寛永18年)
なので、本当にこの邂逅編の時点では見つかってない銀山でした。

大釜池神社と、宇具奴神は桑原先生の創作だと思いますが、
角が三本で、弥彦神社の屋根上で踊っていたというのを読んで、
私の頭の中では、角大使がわいわいしているイメージでちょっと和みました。
角大使は角2本だけど。

 

奥只見と、大釜池神社のある駒ケ岳の位置関係はこんな感じでした。
この辺一帯が框一族のホームって考えればいいってことですかね。
金山もあり、石油もあり、銀山もある越後すごいな。

奥只見と駒ケ岳

 

 

感想

まさかの終わり方で、続き読んでから感想書くべきか迷ったんですが、
上下巻ではなく別タイトルだし、ということで
神隠地帯だけで書くことにしました。

 

しかし、どこから書けばいいのやら。

 

気になったところダイジェスト

気になったところをとりあえず挙げていきます。

 

「かみかくちたい」だと思って読み始め、
子供たちが神隠しに遭うからか~と思っていたら、神社の神も隠れて、
そこで初めてタイトルが「かみがくちたい」だと気づきました。
スリードを誘う(私だけかもですが)よいタイトルですね!

 

百足丸さんの脱ぎっぷり、攻撃するたびにそれはかわいそうだなと思いながら、
いやらしさが全然ないのがかっこよい~!
と思ったら東一坊とお知り合い……?
だけでなく十四郎ともお知り合い…だと!!!?
越後狭くない……!?


サブキャラにしてはキャラデザが独特すぎる東一坊。
私ずっと怪しいなと思ってしまっていて、ラストに景虎様の傍に居るのが東一坊なの不安しかなく、
はやく次巻を読んで安心したいし、疑ってごめんねって東一坊に謝りたい。

直江が十四郎と戦っている時に、晴家が出てきて、直江が言った
「そのようなはずはないな、晴家。おまえに限ってそのような寝返り」
の晴家への直江の信頼が、感慨深かった。

景虎様の「以前より風格が備わった。男前になった」を食らって、
返答に困るだけで済んだ直江、すごい鉄の精神してるなって……
私はキュンで討ち死にしそうでした。
おやめください、景虎様!
急にデレられますと人死にが出ます!

 

景虎様のここが可愛かったよポイント

重い話をする前に、
先に景虎様の可愛かった箇所で、ほっこりしてから進みたい。

P45 
「おまえそっくりな堅物がこの世にもう一人いると思うとゾッとする」

P108 
景虎が「おまえが言うか」とばかりに白い目を向けてきた。

 

かわいいかよ😊

 

直江についつい辛辣になっちゃうところ、本当にかわいい。
以前のような「敵方だったから」、みたいなどろどろしたものじゃなくて、
人になつかない猫ちゃんが、保護されて最初は部屋の隅でじっとして近寄っても来なかったのに、こいつは大丈夫そうとわかってきたら猫じゃらしに飛びついてくるようになり、気安く猫パンチもしてくれるようになった…
みたいな風情に、顔面崩れさせながら読んでました。

しかし猫派ではなさそうな直江殿には、
まだこの愛らしい猫パンチの素晴らしさがわかっておられぬ様子。
もったいないことです。

 

色部さんの複雑すぎる恋愛模様

寿心尼と楊貴妃別人格だったのか!
ということはこうなる?

 

蘭陵王楊貴妃→色部さん→←寿心尼

 

これは何角関係というのか。
肉体の数で言うと3だけど精神の数で言うと4だから四角関係……?

もしかして最後に色部さんが蘭陵王から寿心尼を助ける話になったりしますか?
略奪愛期待してもよい?wkwk

にしても楊貴妃ってなんなのだろう。
本当にただの別人格なのか、なにか憑依みたいなものなのか。
なぜ「楊貴妃」なのか。
あちら側って本当にパラレルワールドなのか。

謎は謎のまま、色部さんまでラストに様子がおかしくなって終わってしまって、
気づけばまた直江ひとりじゃないですかー!
頑張れ直江😭

 

子供対応が神がかってる安田長秀

人の心の声が聞こえるようになってしまったかよへの対応が、
あまりにもイケメン😇
私も子供の頃、長秀におぶわれたい人生だった。

 

そしてその後、
蝙蝠を雇って、かよの力で寿心尼に探りを入れたり、
踏み込みすぎてあちら側に強制送還されたと思ったら、
そこから手紙送ってきたり。

 

いつも好き勝手動いてるけど、
使えるものはちゃんと使って最善を行い、
でも自分の筋は通してるのが、めっちゃ好きです。

長秀は「傾奇」というより「バサラ」って感じがする。

 

 

景虎様と直江の関係性の変化

そして、景虎様と直江ですが。
読んでてしんどくて、二人の関係をまだうまく整理できてないです。

 

直江は、
理性で否定しているものの、景虎に愛憎入り混じったただならぬ思いを向けていて。
また、景虎様は自分を景勝方として憎んでいると思っているし、
景虎に自分はそこまで必要とされてないと思ってる。

 

景虎は、
直江が向けてくる反骨こそが、自分を繋ぎとめているから、直江を失いたくない。
直江の忠誠は形のもので、勝者として、景虎に屈しまいと思っていると直江を認識してる。

 

この時点で二人のお互いの認識がずれてるし、
さらには

調伏力が使えない状況下の対奇命羅戦で、
直江は景虎を逃がそうとして、景虎が意外にも「こんな状況でおまえをおいてなど行けぬ」って強い口調で言われて、動揺し、
この場面をあとから思い返して
「……困る」あれは「己の側へ取り込もうとしているだけだ」と
却って警戒してしまうとか……

 

お互いに自分を憎んでてくれないと困る、みたいなことになってて
しんどい!!

 

ただでさえしんどいのに、
この巻の最初で、直江が景虎

P10
「区切りを、定めてはいただけませぬか」

って切り出したことから、この関係に「換生」という罪と、
景虎の兵蔵太の肉体の命の刻限が
ふたりにさらに重いものを課していくのが……

それに、この時点では、こんなにまで換生に対する拒絶心があったのに、
ここから400年これを続けたのかと思うと、
私のメンタルがごりごり削られた巻でした。

 

どちらも「もう換生したくない」と思いながら、
景虎様は「怨霊退治は越後の外で成してこそ」と思っていて、
でもそれを直江たちに強いることは許されるのかと考え、「でもまだ時間はある」と考えていた。

その一方で、兵蔵太の肉体の死を予言された直江は、使命を終えるまでは換生してもらわねばならぬ、と考える。

 

もし、景虎様本人が、兵蔵太の体の死の予言を聞いていたら、景虎様はどう決断したんだろう。

 

そもそも、越後の外までも何とかしようとした場合、
たぶん今の宿体の寿命のうちに全部終わらせるのはどう考えても無理だし、
寿命が先につきそうになったら、
景虎様は、直江に「もう換生をやめていい」とは言えないだろうと思うんですよね。
だって、直江が、紐が切れた凧のような自分をなんとか繋ぎとめている錘だとわかっているんだから。
でも、この時点の景虎様には、
自分に付き合って換生しろとも言えないような気がしていて。

 

謙信公、たのむから、このあたりの指針を出してあげて…😭
と思わずにはいられなかった。

 

 

あと、直江が、景虎様の「こんな状況でおまえをおいてなど行けぬ」に、
「気を許してはならぬ」ってなったところ、

今までの直江は、初めての感情に翻弄されるままに、
景虎様を玄奘蜘蛛から取り戻すために首搔き斬ったり、
景虎様の精神が兵蔵太に浸食されるのが耐えきれずに兵蔵太の体を斬ったりしてきて、
ちょっと心の距離が縮まったと思った矢先に、長秀が換生して
「景勝方」と一括りに敵意を向けられて、
あの頃の純情な直江はこれが相当ショックだったんでは……?

今、景虎様は自分なんか必要としてないと思っているのも、
この辺りの出来事をずっと引きずってしまっているような気がしています。

 

初期の直江、本当に純情だったな……
(今も堅物で真っ直ぐではあるけど)
だからこそ、純情を弄ばれたというか、
捧げた花を目の前で討ち捨てられるようなことが続いて、
警戒心がつよくなってしまったんではないかと言う気がする。

しかし、憎悪に駆られていた時、信用できないと思っていた時の
景虎様の気持ちもわかるから、
「あれはやりすぎでしたね」とは言えない…。

 

まとめ

あと2冊で、この状況でこの関係……まじでどうなるの。

そして私は、この状態で恐らく新年を迎えることになりそうです🙄
年明けてから読めばよかった!!

煩悩なんにも落とせなさそうです。笑。

 

というわけで、今年はこれが最後のブログになると思います。
本年は大変お世話になりました!!!
よいお年をお過ごしください。


次の巻の感想はこちら↓